2009年、ハイティンク&シカゴ交響楽団の来日公演
2月4日にサントリー・ホールへ。
どうにか入手したチケットで、始めてのハイティンク。
演目はモーツァルト『交響曲第41番<ジュピター>』と、
シュトラウスの『英雄の生涯』と、マエストロの得意演目。
クラシック音楽が趣味になりはじめたころ、
ハイティンクは地味であまり面白みがないかな、
などと思っていたけれど、
その後はじっくりとコンセルトヘボウやボストン、
BPOにVPOとの録音を聴いてみて印象が変わった。
そしてこの日も素晴らしい演奏だった。
モーツァルトではシャープさを醸し出しつつ、
オケの機能美を活かして、
最終楽章で対位法の面白さを堪能させ、
やや重めにズン!とキメた。
ちょっとヴァイオリン・パートの音程が高めかなと思ったけど、
総合的な充実度は見事。
そして休憩をはさんで『英雄の生涯』に。
この曲は冒頭が弦楽器だけで面白い。
そして美しい。
それをきちっと、味のあるアンサンブルでやってのけた。
その調子で最後まで、スキのない心地よい緊張感。
途中、陶然とするような感覚に。
これってスタジオ編集録音か!?
と、思わせる完成度の高さ。
参りました。
パンフレットにハイティンクのインタビューがあり、
アメリカのオケだから音色が冷たい、
とかそういう決めつけはできないと。
指揮者によって変わると。
その通りだった。
世界屈指の高性能オケを、
練達のマエストロが隅々まで把握・掌握。
いい意味でベルリンやウィーンのときのように
「オケにまかせる」という場面がなく、
指揮者とオケの完全なる融合。
音色もまろやかなコクが。
冷徹で硬い音、なんてことはなかった。
シカゴは時代がさかのぼるとはいえ、
首席客演指揮者だった、
カルロ・マリア・ジュリーニのCDを聴くと、
あまりの音色の温かさ、やわらかさ、
優美なカンタービレに泣けた。
ショルティ全盛期のオケでも、こういう変貌が。
(これをブラインド・テストしたらシカゴだとわかんないレベル)
シカゴ響をどこか「アメオケだから」と、
甘くみてなかったか、自分?と反省。
無理して行ったことが報われました。
マエストロ・ハイティンク、職人すぎる。
シカゴのPrincipal Conductorを去るけれど、
またの来日でお目にかかりたいです。
ブルックナーやマーラーのような、
巨大な作品ほど、力量を発揮する指揮者。
ブルックナーの5番と8番を生演奏で聴きたいです。
ちなみに、
演奏会では「フライング・ブラボー」出ず、
フィナーレのあとに観客は感嘆し、沈黙。
残響が綺麗に残り、数秒のちに万雷の拍手。
理想的な心地よさでした。
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出典:アサヒドットコム
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